池山洞44号墳 ちさんどう44ごうふん
池山洞44号墳
ちさんどう44ごうふん
Jisan-dong-44(sasipsa)ho-bun
韓国・慶尚北道高霊郡高霊邑にある池山洞古墳群は、主山から南に延びる丘陵の尾根・斜面に築造された、大加耶支配階層の古墳群である。44号墳は王族級の古墳で、1977・78年に慶北大学校博物館が発掘調査をした。南北斜面に築造され、外護列石を有する。東西径27m、南北径25mと、やや楕円形を呈する大型円墳である。中央には長さ9.4m、幅1.8mの狭長な主室と副室二つの計3基の竪穴式石室、その周囲には32基の小石槨が配置されている。竪穴式石室は地山を掘って構築され、小石槨は竪穴式石室の天井部面を基底部とする。主室では被葬者とともに殉葬者の人骨、副室でも殉葬者の人骨が確認された。18基の小石槨から7〜50歳代の男女22体の人骨が発見されている。これらの小石槨墓は殉葬墓である。副葬品には陶質土器・鉄器などがある。注目される遺物には、鈴付剣菱形杏葉・ヤコウガイ製容器・銀装鉄矛があり、当時の大加耶と倭・百済との交渉関係を示唆している。
(定森秀夫)
以上、転載
