婦好墓 ふこうぼ
婦好墓
ふこうぼ
Fuhao-mu
中国・河南省安陽市小屯村西北で、1976年に発掘された商代の中型墓。墓口は東西幅4m、南北長5.6mの長方形で、深さ7.5m、底部に腰坑を持ち、二層代式の構造を持つ。墓の上面には祭祀用の享堂が建てられていたことも明らかになっている。墓は未盗掘で、青銅器・玉器など主な副葬品だけでも1900点余りが発掘された。出土した青銅の彝器・楽器・武器の大部分には銘文があり、主な銘文として「婦好」「司母辛」「司●母」「亜弜」「亜其」「子束泉」がある。土器や青銅器の型式から見てこの墓は殷墟第2期に属すること、さらに「婦好」は第23代皇帝の武丁の妻として甲骨文上に記事が見られることから、埋葬されていた墓主は武丁の妻「婦好」、廟号「妣辛」であると推定されている。この墓の発掘によって膨大な商代の王室墓の副葬品資料が提供されたばかりでなく、出土遺物は殷墟第2期の基準資料として広く利用されるに至り、商代研究史上、非常に重要な意義を持っている。
(難波純子)
以上、転載
甲骨文字の故郷にとうとう来たという感慨に包まれます。
同じ村内に中国社会科学院の拠点もあり甲骨文字の研究が今も進められています。殷墟の出土物は100万点もあるとか。
婦好墓の見学施設は地下深くへ下りていく構造。墓域も見学できます。展示されている巨大な青銅器の迫力ときたら。
広い遺跡公園には甲骨文字の展示館も別途あり、十分すぎるほど堪能できるのですが、さらに今、博物館に着工したとのニュース(2020年11月)。
新しい殷墟遺跡博物館は2022年末に完成予定だそうです。
*辞書解説の漢字をピックアップ
彝
イ、つね、のり
意味=宗廟に備える器
彝を秉る(いをとる)とは(広辞苑より)
〈詩経大雅、烝民〉天から与えられた不変の道を保持する。人の道を固く守る。
「彝器」は こちら
妣
ヒ、なきはは
