買地券 ばいちけん

買地券
ばいちけん

土地の神から墓地を買った契約書。買山券・別・買地別・鎮墓券・冢券・冥券・墓券などともいう。中国の土地制度と、民間の道教信仰に由来した埋葬儀礼により、後漢代に起こり清代まで続く。死者の墓域を確保し、祖先の霊魂の安静と生者の無事を願い、鉛・鉄・石・塼・玉などの板面に記して墓に納めた。現世使用の契約書を模して作られた一種の明器である。期日・死者名・場所・売買者名・範囲・価格・保証人などを列記する。前漢代に墓中の文書で

竹木に記される簡牘(=木簡)の中に、死者の衣類や日常使用の物品が記され、その管理を冥界の地下の役人に委任する文があって、この埋葬習俗は前漢代にまでさかのぼると見られる。
(中略)

中国以外の例では、朝鮮半島の百済・武寧王陵の石製買地券(525年)があり、日本では福岡県太宰府市宮ノ本1号墓から出土した8世紀後半~9世紀中頃の「男好雄亡父買地鉛券」、江戸時代に岡山県吉備郡真備町で発見されたと伝える天平宝字7年(763)の塼に刻んだ「矢田部益足買地券」の2例がある。
(後略)

(山本信夫)

以上、抜粋転載

 

 

*辞典解説文から漢字ピックアップ


チョウ、おお(きい)、つか


トク、かきもの、てがみ、ふだ