伊勢堂岱遺跡 いせどうたいいせき

伊勢堂岱遺跡
いせどうたいいせき

秋田県北秋田市（旧北秋田郡）鷹巣町脇神に所在する縄文時代後期初めの大規模な祭祀遺跡。秋田内陸縦貫鉄道が北側を横切る標高40～50mほどの広い段丘上に立地している。1995・96年（平成7・8）秋田県埋蔵文化財センターによる調査で、典型的な環状列石が発見され、その後、鷹巣町教委が遺跡の範囲・性格を確認するために継続調査を実施した。
（中略）

また、北東部には4基の環状列石が集まっている。全貌が把握された東北隅の環状列石Aは、北側に出入口と思われる列石が付き、中央の環は約1500個の川原石を長径30m、短径25mに並べたもの。周辺からは環状列石に関連する多くの土壙墓などが発見された。
（中略）

また、環状列石群の北東側と北東隅に入り込んでいる沢を中心に、土偶・キノコ型土製品・イモガイを模した土製品・動物形土製品・鐸形土製品・ミニチュア土器・三脚石器などの多くの祭祀遺物と、土器・石鏃・石錐・石匙などの日用具が多量に発見された。

（加藤真二）

以上、抜粋転載

 

遠く白神山地を望む小高い丘で、4つも並ぶ環状列石。どれだけの人の祈りが込められていたのでしょう。

麓の伊勢堂岱縄文館には、出土した土偶がずらりと展示されています。いくつものショーケースに、ものすごい数。その1つ1つが宇宙人のようだったり埴輪のようだったり、個性的な表情と姿で、離れがたい世界です。こんなに多くの土偶と対面できるのも現地ならでは。

川から石を運び、10世代200年も環状列石を作り続けた、その心とは？

循環や共生が続くように、という祈りだったのでしょうか。