アイヌ文化 アイヌぶんか

アイヌ文化
アイヌぶんか

本州から北海道に漆椀や鉄鍋がもたらされ、擦文土器が使用されなくなった後に展開した文化。13世紀頃に成立したと考えられる。竃の消失や竪穴住居から平地住居への移行も、ほぼ同時期に進行した現象であろう。14~15世紀ごろには擂鉢や碗・皿などの中世陶磁器が道央地方まで分布する。15世紀後半から17世紀初頭ごろの勝山館跡(上ノ国町)やその周辺では、伸展葬の墓や骨角器・木製品が検出され、アイヌと和人の混在する暮らしが営まれていた。17世紀後葉や18世紀前葉に降下した火山灰の下位からは、建築跡・墓・土坑・焼土・鍛冶遺構・畑跡・道跡・船着場跡・チャシ跡・送り場跡・貝塚・集石・馬の蹄の跡などが各地で検出されている。美々8遺跡(千歳市)などでは、低湿地から多種多量の木製品や鉄製品が出土し、海を越えて交易を行ったアイヌの人々の姿が明らかになってきている。

(中田裕香)

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