韓式系土器 かんしきけいどき
韓式系土器
かんしきけいどき
古墳時代の朝鮮系土器の総称。朝鮮半島からもたらされた土器以外に、朝鮮半島の土器の特徴を備えた、渡来人あるいは倭人が日本列島内で製作したものも含む。軟質土器および瓦質土器・陶質土器を含めた広義の意味に使う場合もあるが、一般的には軟質土器のみの狭義の意味で使用し、朝鮮系軟質土器と呼ぶこともある。特徴は土師質焼成で、調整には古墳時代土師器に通有のハケ目調整ではなく、タタキ技法を用いる。タタキには格子・斜格子・平行・縄蓆などがあり、特殊なものとして鳥足文タタキがある。体部に圏線がめぐる場合もある。器種では平底鉢が最も特徴的であり、丸底広口壺・長胴甕・甑・鍋などがある。5世紀の西日本・関東での出土例が多いが、6世紀には極端に少なくなる。長胴甕・甑は土師器の器種として定着していき、ハケ目調整となる。古墳出土品もあるが、集落跡から出土することが多く、土師器と混在している。渡来人集団の存在を推定しうる有効な遺物である。
(定森秀夫)
以上、転載
