丹塗磨研土器 にぬりまけんどき

丹塗磨研土器
にぬりまけんどき

土器の表面に赤色顔料を塗布し、きれいに磨き上げて整形した赤色磨研土器。朝鮮半島の無文土器（青銅器）時代に見られる、褐色系統の粗製土器とセットをなす精製土器である。もともと中国・新石器時代の前半期の彩陶の流れをくむことから、紅陶と呼ばれたこともあった。一般に、小型丸底壺で支石墓などの墳墓の副葬品として、磨製石剣・石鏃などとともに埋納されるが、住居跡からの出土も見る。その場合、器種も壺・甕・埦・鉢など多様である。小型丸底壺は、弥生文化形成期に支石墓とともに北部九州に伝えられた。弥生時代中期後半になると、独自の展開を見せ、甕棺墓群に伴う祭祀土壙から大型の器台や壺などが多量に出土する。

（西谷正）

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