永泰公主墓 えいだいこうしゅぼ

永泰公主墓
えいだいこうしゅぼ
Yongtaigongzhu-mu

中国・陝西省乾県にある唐中宗の第7女李仙蕙の墳墓。乾陵の陪葬墓の一つで、大足元年（701）に夫の武延基とともに則天武后によって殺され、中宗復位後の神龍2年（706）に夫とともに合葬された。陝西省文物管理委員会が1960～62年まで調査した。一辺56m、高さ14mの覆斗形の方墳で東西220m、南北275mの垣で囲まれ、四隅に建築遺構がある。垣の南面中央に1対の土闕があり、土闕の南に石獅子1対、石人2対、華表1対が並ぶ。墓室は全長87.5m、深さ16.7mで、墓道・過洞5・天井6・小龕8・前後甬道・前後墓室からなる。甬道と墓室は塼で築かれ、後室西側に官女図を線刻した石棺1が置かれる。墓道両側壁に青龍と白虎、6組の儀仗隊と戟架、前室東西壁に団扇・払子・高足坏・蜀台などを持った侍女、後室天井に天象が描かれる。盗掘を受けているが、石製墓誌1・俑878・三彩器104・彩絵陶器81・金器・銅器・鉄器などの副葬品1300余点が残る。このうち三彩器は唐三彩の初期的様相を呈し、奈良三彩との共通点が多い。

（吉田恵二）

以上、転載

 

 

 

＊辞典解説文から漢字ピックアップ

闕
ケツ、か（く）、か（ける）、のぞ（く）、もん

龕
カン、ガン、か（つ）、ずし

戟
ケキ、ゲキ、ほこ