画像塼墓 がぞうせんぼ
画像塼墓
がぞうせんぼ
表面に画像装飾を持つ、長方形ないし方形の焼成レンガである。中国・河南省の鄭州および洛陽周辺において戦国時代に始まり、秦・漢時代には河南省を中心に四川省および江蘇省・江西省・陝西省・湖北省・雲南省の一部にまで広がる。一部の地域では魏晋時代まで続いた。特に後漢代中・後期の四川省成都市・新繁・新都一帯では画像塼墓が盛んに築造されている。画像塼に装飾を施す基本的な技法には3種類あり、①成形したレンガの表面に直接的に陰刻ないし線刻するもの、②文様を彫刻した小さなスタンプを何度も繰り返し押し付けるもの、③文様を彫刻した、塼の装飾画に相当する大きさの範を押し付けるものである。古い時期のものは、①や②の技法を併用し、樹木・馬・飛禽、または円や菱形といった幾何学文など単純な表現が多い。漢代以降、②に③の技法を加えて画像塼墓が一層発展を遂げ、画像石墓や壁画墓の描写と同様に、西王母・仙人六博などの昇仙図、荘園・収穫・市場交易・饗宴楽舞などを表す生前図、神話故事・儒学授経などの物語図がよく見られる。
(黄暁芬)
以上、転載
