再葬墓 さいそうぼ
再葬墓
さいそうぼ
遺体を埋葬や風葬にした後、遺骨をとりあげて再び埋葬するなど、葬儀が複数回にわたる埋葬方法を再葬と呼び、その墓を再葬墓という。再葬墓はパレスチナ・中石器時代のナトゥーフ文化や、中国・新石器時代の仰韶文化など、世界各地のいろいろな時代にあり、現在でも行っている地域がある。日本列島では縄文時代にすでに認められ、弥生時代前半の東日本で制度であるかのように発達した。この場合の再葬は、遺骨を壺に納めて土壙に埋納するものである。遺体処理の場所として、群馬県月夜野町八束脛(やつはぎ)洞窟遺跡など山岳の岩陰が知られているが、そうした遺跡からは多数の人骨のほかに指の骨や歯に孔を開けた垂飾が出土することもある。こうした弥生時代の再葬には、祖先の仲間入りのための通過儀礼の役割が考えられる。古墳時代にも再葬は認められ、改葬あるいは2次葬とも呼ばれている。
(設楽博己)
以上、転載
