龍興寺遺跡 りゅうこうじいせき

龍興寺遺跡
りゅうこうじいせき
Longxingsi-yizhi

中国・山東省青州市にある仏教寺院遺跡。1996年に建設工事に伴い、青州市博物館が調査した。寺院の中軸線北部で平面「王」字形の仏殿跡が検出され、さらにその後ろ7mの所で仏像の穴蔵が発見された。穴蔵は東西8.70m、南北6.80m、深さ3.45mの土坑で、内部から400点余りの仏像が出土した。時代は北魏末期から北宋にわたり、特に北魏・東魏・北斉時代の石像は学界で重要視されている。立像は穴蔵の内部に横になって、3重に整然と積み重ねられており、坐像は立ったままであった。体躯の整ったものは中心部に置かれ、残頭像は壁に沿って埋められていた。青州産の石灰岩の石像が95%以上を占め、ほかに漢白玉・花崗岩・陶・鉄・木・泥質像もある。青州地域は469年に北魏によって占領されるまでは南朝に属した。造像の題材・組合せ・装飾技法に南朝の遺風が見られる。北斉後期に薄衣が体に貼りつき、衣文を彫り込まない立像が流行し、あるものはさらに彩絵金箔貼り・浮彫り技法で袈裟に仏説法図・六道輪廻図などを施している。それらの特徴は、南朝の梁を経由して伝来したインド様式の影響だと指摘されている。

(蘇哲)

以上、転載

 

 

*出土した仏像が並ぶ青州博物館は必見。マップを拡大するとすぐ横に博物館、その背後の範公亭公園にも龍興寺の解説があります