珍島 ちんとう
珍島
ちんとう
Jindo
韓国・全羅南道珍島郡に属する。朝鮮半島西南海岸地域に、本土の海南郡との距離約400mの鳴梁海峡をはさんで位置する。東西約28㎞、南北約27㎞、面積約334㎢を測る。珍島の歴史は、櫛目文土器(新石器)時代に始まるが、顕著な遺跡には無文土器(青銅器)時代の支石墓があり、これまでにおよそ41ヵ所500基をはるかに超えている。いずれも碁盤型(南方式)である。珍島が朝鮮史上、大きな脚光を浴びるのは高麗時代のことである。すなわち、三別抄の反乱の指揮官であった裵仲孫が、江華島から珍島へ根拠地を移したことである。その拠点が龍蔵城であり、龍蔵城跡は史跡整備に伴って木浦大学校博物館が1989年に発掘調査した。また、戦死した裵仲孫将軍の菩提を追福するために造られたと伝える三尊石仏のある龍蔵寺跡や、同じく裵仲孫が埋葬されているという南桃石城などの遺跡が知られる。
(西谷正)
以上、転載
