新昌洞遺跡 しんしょうどういせき
新昌洞遺跡
しんしょうどういせき
Sinchang-dong-yujeok
韓国・光州広域市光山区新昌洞に位置する原三国(馬韓)時代の集落・墳墓遺跡。1963年にソウル大学校によって甕棺墓群が、92〜2002年に国立光州博物館によって低湿地・環壕・水路・土器焼成遺構・墳墓群などが調査された。甕棺墓は56基が調査され、甕や壺からなる合口式が主体を占める。低湿地は下部からⅠ〜Ⅲ期の3文化層に分けられる。まず、最下部のⅠ期層はシルト層と黒褐色有機物腐食土層で、籾殻層の存在が特徴である。種子類などの植物遺存体とともに、漆器類・武器類・農工具類など多量の木製品が出土している。Ⅱ期層は木炭・焼土が混合した土器製作と関連する泥質層が中心であり、出土遺物は粘土帯土器が主体を占める。最上部のⅢ期層は撹乱層であり、無文土器と李朝(朝鮮)時代の遺物が出土している。環壕と推定される溝は4条あり、内部から無文土器片・叩き目文土器・灰青色硬質土器が出土している。土器焼成遺構は4.1×2.4mの楕円形土壙であり、長さ2.95mの溝が伸びている。内部からは無文土器が出土している。遺跡の年代はBC1世紀〜AD1世紀と推定されている。
(高久健二)
以上、転載
