麟徳殿跡 りんとくでんあと

麟徳殿跡
りんとくでんあと
Lindedian-yizhi

中国・陝西省西安市にある宮殿跡。唐の太宗が貞観8年(634)に長安城の東北に接して築いた大明宮内西部に位置する建物で、大明宮の正殿である含元殿が政務の場であったのに対し、宴会と外国使節の接見に用いられた。周囲を回廊で囲った12300㎡の区画中央に築かれた南北130m、東西77mの2層の版築基壇上に前殿・中殿・後殿の3殿が南北に並び、中殿の東西に東亭と西亭、後殿の東に結隣楼、西に郁儀楼が建つ。下層基壇は高さ1.4m、上層基壇は高さ1.1mで、周辺から大量の丸瓦・平瓦、石製螭首・望柱が出土し、階段と通路には蓮華文方塼、雨落溝には黒色の方塼が敷き詰められていた。前殿は東西11間、南北4間、中殿は東西11間、南北5間、後殿は東西9間、南北5間で柱筋を揃えている。緑釉瓦も少量あり、屋根には瓦が葺かれ、基壇には赤・藍・緑に彩られた石製の螭首・望柱・構欄による装飾がなされていた。外国使節として日本の遣唐大使もここで謁見を受けた。

(吉田恵二)

以上、転載

 

 

*辞典解説文から漢字ピックアップ


チ、みずち