ドンソン文化 どんそんぶんか

ドンソン文化
どんそんぶんか
Dong Son culture

1924年、ベトナム北部タインホア市ドンソンで、独特の様式の青銅器類が発見され、ドンソン文化と呼ばれるようになった。青銅器文化と呼ばれることが多いが、少なくともその後半は鉄器を伴う。その起源をめぐりさまざまな説が出されたが、ベトナム独立後は、ベトナム民族の伝統を示すものとして、国家的に重要視されている。銅鼓・桶形容器・短剣・槍・戈、靴形を含む斧、鋤・腕輪など独特の形と文様の青銅器があるが、羽で着飾った人物の図柄が普遍的に見られる。土器には素焼きの縄蓆文土器と窯焼きの印文陶がある。年代は墓で伴出する中国系青銅器からBC3世紀〜AD1世紀と見られるが、ベトナムの研究者はその始まりをさらに古く想定する人が多い。政治的には伝説的な甌貉国、南中国の南越の影響下におかれた時期、漢の支配期にまたがる。遺物の点で中国雲南の石寨山文化と共通点が多く、東南アジアとの広い地域とも関連がある。かつては、東南アジア青銅器文化の代名詞のように使われたこともあるが、現在では北部ベトナム地域の文化を指す。

(今村啓爾)

以上、転載

 

 

*辞典解説文から漢字ピックアップ


オウ、かめ、はち、ほとぎ


カク、バク、むじな