志登支石墓群 しとしせきぼぐん
志登支石墓群
しとしせきぼぐん
福岡県前原市大字志登字坂本586番地にある支石墓群。糸島半島の基部、雷山川の旧河口、標高5mの微高地上に位置する弥生時代前期から中期の墓地である。1953年(昭和28)に文化財保護委員会が発掘調査を行い、弥生時代初頭の支石墓10基を確認した。このうち、支石墓4基、甕棺墓8基、平安・鎌倉時代の溝などを発掘した。支石墓は径1.2〜2.1mほどの上石を数個の支石で支える形式のもので、上石には玄武岩・花崗岩を用いる。主体部は土壙墓ないしは木棺墓と推定される。6号支石墓から打製石鏃6本、8号支石墓から柳葉形磨製石鏃4本が出土した。いずれも副葬品と考えられる。同市内に所在する長野宮ノ前、三雲石ヶ崎、三雲加賀石、井田用会支石墓とともに、わが国における弥生文化開始期の墓制の変遷を知る上で重要である。
(岡部裕俊)
以上、転載
