白滝遺跡群 しらたきいせきぐん

白滝遺跡群
しらたきいせきぐん

北海道紋別郡遠軽町旧白滝村に所在する100ヵ所以上の旧石器時代遺跡の総称。黒曜石の原石山である赤石山一帯と、村内を流れオホーツク海に注ぐ湧別川と、その支流の支湧別川一帯に所在し、旧石器時代の遺跡が多い。1953〜61年(昭和28〜36)の吉崎昌一による旧石器としての認識と調査研究、「湧別技法」の提唱などは、北海道の旧石器研究の基礎が築かれたと同時に、本州の旧石器研究にも大きな影響を与えた。その後の明治大学による服部台遺跡、木村英明による幌加沢遠間地点遺跡の調査は、細石刃文化研究に欠かせない成果を挙げた。1995年(平成7)からの高速道路建設に伴う17遺跡、10万㎡の調査では460万点、10トンの石器類が出土した。大小の先頭器・大型両面調整石器・舟底型石器などが多く、各種の細石刃核もある。また、それらの製作過程がわかる多数の接合資料も得られ、原産地遺跡での石器製作の実態が明らかにされている。

(長沼孝)

以上、転載