大野城跡 おおのじょうあと

大野城跡
おおのじょうあと

福岡県太宰府市・大野城市・糟屋郡宇美町にまたがる四王寺山塊（大城山標高410m）に築かれた古代山城。水城・基肄城とともに大宰府を守る羅城ラインを形成する。白村江敗戦後の665年（天智4）百済亡命貴族の達率憶礼福留・四比福夫の指導によって築城された。1950〜60年代にかけての鏡山猛による踏査研究をもとに、73年（昭和48）から九州歴史資料館による調査が続けられている。周長は約6.5㎞で北と南は二重となる。外郭線の大部分は版築による土塁をめぐらし、谷部など6ヵ所に石塁を築く。城門は4ヵ所あり、1985〜88年（昭和60〜63）大宰府口城門が調査され3期にわたる建て替えが確認されている。城内には6地区70棟に及ぶ礎石建物群があり、発掘の結果Ⅰ〜Ⅳ期に編年されている。建物跡の多くは倉庫と考えられているが、主城原地区や前田地区では管理中枢的な施設が想定されている。1999年（平成11）尾花地区土塁の基底部から初めて列石線が検出された。

（向井一雄）

以上、転載