昌原南山遺跡 しょうげんなんざんいせき
昌原南山遺跡
しょうげんなんざんいせき
Changwon Namsan-yujeok
韓国・慶尚南道昌原市にあって、標高100mほどの南山の独立丘陵頂上部に立地する、無文土器(青銅器)時代から原三国(弁韓)時代にかけての集落遺跡。1977年、昌原大学校によって発掘調査された。青銅器時代では、平面ほぼ楕円形にめぐる環濠と、その内部の南側傾斜面から竪穴住居跡が10数軒と貯蔵穴群が重複して検出され、また無文土器と各種の磨製石器を出土した。北側頂上部では、1間四方の物見櫓と推測される掘立柱建物跡1棟が検出された。さらに環濠外側の東方2ヵ所で貝塚も見つかった。原三国時代の遺構には、丘陵頂上部をめぐる小規模な環濠と、その内部で密集して検出された竪穴住居跡30数軒がある。そして丘陵の東南斜面には、貝塚と廃棄土壙群が認められた。それらの遺構群からは、赤色無文土器・灰陶質(瓦
質)土器・鹿角装鉄刀子・骨鏃・獣骨・卜骨など多数の遺物を出土した。そのほか統一新羅時代の瓦塼や、中・近世の建物跡と溝などが知られる。
(西谷正)
以上、転載
