郡谷里遺跡 ぐんこくりいせき
郡谷里遺跡
ぐんこくりいせき
Gungok-ri-yujeok
韓国・全羅南道海南郡松旨面郡谷里の低丘陵上に所在する、無文土器(青銅器)時代〜原三国(馬韓)時代の集落遺跡。遺跡形成当時は白浦湾に面していたと推定される。1986〜88年に国立光州博物館や木浦大学校博物館によって3次にわたる調査が行われ、貝塚・住居跡・窯跡などが発掘された。調査の結果、遺跡は以下のような五つの文化層に分けられた。
第Ⅰ期層:貝塚形成以前の無文土器時代に該当。断面円形粘土帯土器が出土。BC3〜4世紀。
第Ⅱ期層:貝塚形成開始期に該当。断面三角形粘土帯土器・貨泉・鉄器・骨角器が出土。BC1世紀〜AD1世紀中葉。
第Ⅲ期層:土製勾玉と卜骨が集中的に出土。1 世紀後半。
第Ⅳ期層:硬質擦文土器が出現。2世紀前半。
第Ⅴ期層:叩き目文土器が出現。2世紀後半〜3世紀。住居跡は丘陵頂上部で検出され、平面円形(3.6×3.5m)を呈する。出土遺物としては、硬質無文土器の甕・甑・高坏・把手付土器、有茎式石鏃などがあり、AD1世紀頃と推定されている。窯跡は地下式登窯であり、長さは4.2mである。出土土器は硬質無文土器と叩き目文土器であるが、後者には赤褐色軟質・灰色軟質・黒色軟質・灰青色硬質があり、この中でも前二者の占める割合が多く、3世紀前半と推定されている。
(高久健二)
以上、転載
*mapは海南郡 松旨面 郡谷里
