印文土器 いんもんどき
印文土器
いんもんどき
中国の表面に叩き・押付け文様を持つ土器。土器を成形・整形する際に、器壁をよく締めるとか文様を施すために、内面に手あるいは土製などの当て具で支えて、外面に文様を刻んだ叩き道具で叩くことによって施された成形痕を印文と呼ぶ。主として泥質紅陶・泥質灰陶で、夾砂土器もしばしば見られる。1920年代に中国・広東省南海県南越文王墓ではじめて出土し、その後、華南と華東地区で大量に発見されてきた。新石器時代後期から出現し、商・周時代に流行した。戦国時代には衰退したが、漢時代まで存続した。器種には壺・甕・罐・鉢・盂などがある。文様に格子文・網文・円点文・重円圏文・雲雷文・屈曲文・重弧文・F字重文の曲線文・S状貼付文・矢羽根状文・渦巻文などといった幾何学文様がある。そのほかにも縄蓆文・櫛文・藍文・鋸歯状貼付文などの非幾何学文様もある。これらの文様には単独で利用する場合と、それらの文様を組み合わせて施文するものとがある。南方地区の土器文化の特徴として知られる。
(黄建秋)
以上、転載
*辞典解説文から漢字ピックアップ
夾
キョウ、コウ、さしはさ(む)、はさ(む)
盂
ウ、はち、わん
