石甕 いしがめ

石甕
いしがめ

石で作った甕形の容器。特にラオス北東部、シェンクアン県ジャール平原にある骨壺としての石甕が有名である。1930・31年、コラニーがシェンクアン県一帯に分布する石甕群を調査した。砂岩を刳り抜いたもので、最大のものは高さ3.3m、直径3.0mを測る。最大の石甕群・バンアン遺跡では500基以上の石甕が丘陵上にある。内部から人骨・歯・ガラス玉が、石甕周囲から土器・磨製石器・ガラス玉・青銅装身具・鉄製ナイフなどが出土した。1994年の新田栄治らによる発掘では、石甕の下で石蓋土壙墓と土器の骨壺を検出した。内部に人骨・鉄製ナイフがあった。紀元前後頃とする説とAD1000年紀後半とする説とがある。

(新田栄治)

以上、転載