空心塼 くうしんせん
空心塼
くうしんせん
古代中国において、宮殿や墓といった建造物の壁・床・天井部などを構築した建材の一種で、角材を模倣したような長方形状の塼である。一般に長さ約1m、幅30㎝前後で、使用する部位に合わせた不定形のものもある。強度上の限界を考慮し、塼自身の重量を減少させるため、いずれも中空となる。無文のものが多いが、塼の表面に彫刻・絵画・スタンプによる四神文や幾何学文様などの装飾を施すものもある。主に河南省を中心に陜西省・山西省の一部を含む地域に分布し、戦国時代中期ごろに造墓の建材として現れ、秦〜前漢時代では造墓以外に宮殿や陵園寝殿建築の建材にも採用されていた。
(黄暁芬)
以上、転載
