石棺墓 せっかんぼ

石棺墓
せっかんぼ

板石を立てて箱形に組み立てた棺を用いた墓。箱式石棺・箱式棺・組合せ式箱式石棺などの名称で呼ばれる。平面プランは長方形や方形が主流である。墓壙の中に4個以上の板石・塊石を四周に並べて棺とし、遺体をその中に直接埋葬した後、石蓋をしている。支石墓の内部主体として用いられる場合もある。遺体はふつう単独で埋葬されるが、複数埋葬した場合もある。棺の規模が大型のものと小型のものがあるが、必ずしも成人・小児の区別と対応しない。小型の石棺に成人が埋葬された例では、再葬の可能性も指摘される。弥生時代初頭から西日本を中心に存在し、弥生時代の西北部九州では継続して石棺墓が営まれた。朝鮮半島では無文土器（青銅器）時代を中心に認められる。

（谷直子）

以上、転載