土器棺 どきかん

土器棺
どきかん

土器を用いた棺。壺棺・甕棺や棺として用いられた埋設土器などを含む。縄文時代に多く見られる日常土器の転用棺と、弥生時代の北部九州に見られる甕棺のような埋葬専用棺とがある。1個体あるいは複数の土器を用いる。成人の1次葬用のほか、再葬用や小児棺としても用いられる。古墳時代後期の陶棺や、仏教伝来以後に火葬骨や洗骨を納めた蔵骨器などは含めない。日本では縄文時代中期以降に見られる。中国では新石器時代前期に渭水流域と漢水上流域において子供の埋葬方法の一つとして出現し、漢水中流域、淮河上流域、長江中流域などに広まっていく。また、地域によっては成人の2次葬棺として用いられるようになる。朝鮮半島では櫛目文土器(新石器)時代に当たる東三洞貝塚のものがもっとも古く、無文土器(青銅器)時代から三国時代を通じて存在している。

(谷直子)

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