土墩墓 どとんぼ

土墩墓
どとんぼ
tutunmu

中国・江蘇省南部、安徽省南部、浙江省西部、江西省東部に分布する墳丘墓。土墩墓は商時代から戦国時代まで築かれている。墳丘の規模と立地、そして青銅器の有無などから大墓と小墓の存在が確認されている。大墓は丘陵地もしくは高地の頂部や山を背に河川を望む所で遺跡が集中するところに立地する。墓壙には浅い土壙、人工土台を掘り下げて作った竪穴、岩盤を掘り下げて作った竪穴がある。棺台には石組みによる台、地山で作った

台と2層台がある。副葬品は地方色が濃厚で、青銅器・原始青磁と土器がある。青銅器には呉・越式鼎や鬲・簋・尊・壺など、原始青磁には埦・罐・豆・甕などがある。土器は少ないが鬲・埦・罐・甕などがある。

小墓は一つの墳丘を有する場合と、数基の同時期または異なる時期の墓が一つの墳丘を共有する場合がある。小墓は丘陵地に集中して立地する。副葬品に夾砂土器・印文土器・原始青磁などがあるが、青銅器はほとんどない。時期が下ると、大墓には中原文化の要素がしだいに濃厚になり、土着文化と融合していることがわかる。小墓にはこのような変化ははっきりと現れていない。土墩墓の研究は、江南地区における呉越文化の実体を解明する上で不可欠である。

(黄建秋)

以上、転載

 

 

*辞典解説文から漢字ピックアップ


カク、レキ、かなえ
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(意味)穀物を盛る祭器


カン、かま


キョウ、コウ、さしはさ(む)、はさ(む)