高松塚古墳 たかまつづかこふん

高松塚古墳
たかまつづかこふん

奈良県明日香村下平田に所在する飛鳥時代の壁画古墳。墳丘は南北25m、東西20m、高さ3.5〜9.5mの版築積み、2段築成の円墳。1972年（昭和47）発掘の結果、南を入口とする内部の天井が平らな石棺式石室（石槨）は、高さ1.134m、幅1.035m、奥行2.655mである。天上石・床石は各4枚、側石は各3枚、奥壁石・扉石各1枚の凝灰岩、16石で構成する。石室内部は側壁と奥壁、天井の漆喰に壁画を描く。北の奥壁に玄武、東壁に青龍、西壁に白虎の四神を描くが、南の扉内側は漆喰が剥離し、朱雀の存否はわからない。側壁の四神の手前（南）に各4人の男性像、奥に各4人の女性像、合わせて16人の人物群像を描く。青龍と白虎の上部には日・月像がある。天井には中央に北斗七星、その四方に各方角の星宿7個ずつを金箔と朱線で描く。遺物は金箔貼の漆塗木棺・金銅製宝相華文飾金具・銀製唐装飾大刀金具・白銅製海獣葡萄鏡・琥珀玉・ガラス製粟玉が出土した。7世紀末から8世紀初頭の築造と埋葬である。壁画の退色が激しく、保存修復のため石室が解体された。

（猪熊兼勝）

以上、転載

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