屯馬里壁画墓 とんまりへきがぼ

屯馬里壁画墓
とんまりへきがぼ
Dunma-ri-byeokwamyo

韓国・慶尚南道居昌郡南下面屯馬里に位置し、標高35m付近の低丘陵の稜線上に立地する高麗時代の壁画墓。墳墓は、1971年に盗掘されたことで明るみに出た。そこで、文化公報部文化財管理局文化財研究室が翌72年に発掘調査を実施した。墳墓は、旧地表上にほぼ方形に地覆石で囲い、その上に護石を立て、その内側を低い封土で覆った。護石の規模は南北約4m、東西約3.5mを測る。墳墓の南側前方に5.4mと、さらにその前方4.7mの位置には、2段の石築基壇を設け、そしてそれぞれの東西両側には、1対ずつの石人を立てていた。旧地表下には、岩盤を2.5mほど掘り込んで墓壙とし、そこに板石を組み合わせて石室を埋置した。石室は南北に長軸を置き、真ん中の側壁を共有して東・西に長方形の石室を並置していた。東側石室は南北の長さ2.45m、東西幅0.92mに高さ0.9m、そして西側のそれは、南北の長さ2.45m、東西幅0.93mに高さ0.93mをそれぞれ測る。東・西石室の南側には共有の長さ約1.5mの羨道がつく。東・西両石室の内面には全体に漆喰を塗り、その上に奏楽天女群像を描いていた。盗掘がひどく、副葬品は見られなかったが、わずかに人骨片と木棺材の一部が遺存したにすぎない。人骨片の分析によると、被葬者は成人男性といわれる。

（西谷正）

以上、転載

 

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＊マップは居昌郡南下面屯馬里