方形台状墓 ほうけいだいじょうぼ
方形台状墓
ほうけいだいじょうぼ
弥生時代後期を中心に営まれた墳墓の一形式。一部、古墳時代初頭にも認められる。方形周溝墓と方形台状墓は立地が大きく異なる。後者は丘陵上に位置し、主に削り出しによる2m未満の墳丘を有していたために、かつて両者は異なる墓制として理解されていた。現在では、方形周溝墓にも本来盛土があったことが判明し、墳墓構造自体に相違はほとんど認められないため、両者を合わせて低墳丘墓もしくは墳丘墓として一括することも多い。主に岡山県下を中心とした瀬戸内地方に分布し、周溝はあっても四周に完全にめぐらせる例はほとんど知られていない。方形台状墓が、岡山県楯築遺跡などの弥生時代後期の大型墳丘墓に発展していったとする見解、つまり、平野部に位置する方形周溝墓から古墳に移行する過渡期の墓制として位置づけられたこともあった。現在では、これらの間にはそれぞれ大きな差異があると見なすことが一般的である。
(福尾正彦)
以上、転載
