四隅突出型墳丘墓 よすみとっしゅつがたふんきゅうぼ
四隅突出型墳丘墓
よすみとっしゅつがたふんきゅうぼ
長方形の四隅を突出させた特異な形態をとる弥生時代中期から後期の墳墓。2001年(平成13)現在90基以上確認されている。中国地方山間部から山陰地方に多く北陸地方まで分布しているが、九州・四国・近畿などには見られない。墳丘規模は一辺10m前後のものが多いが、40mを超す大規模なものや1m余りの小型のものもある。墳丘斜面や裾まわりに石を貼り並べるのが大きな特徴である。ただし、北陸地方の四隅突出型墳丘墓には貼石が見られない。山を削り出したり盛土によって墳丘を築き、その頂上に複数の墓壙を掘り込んで組合せ式木棺を納めるものが多いが、箱式石棺を安置したものもある。墓壙上面に壺・甕・器台などの土器を置く例が多い。副葬品を有するものは少ないが、玉類・鉄製武器などを伴う例がある。特異な形態の起源や、その分布圏が何を意味するのかなど未解明な点が多い。
(松本岩雄)
以上、転載
