窯 かま

窯
かま

窯は機能・熱源・使用目的などによって陶磁器用・製炭用・溶解用・精錬用などに種類が分かれる。考古学で扱う場合は、埴輪・陶磁器・瓦塼類の窯が多い。素焼きのカワラケなどは、側壁だけをもち天井のない垂直炎の丸窯で焼成する。傾斜した床面を持つ窖窯が、古墳時代中期に須恵器製作技術者とともに朝鮮半島南部から伝来した。窖窯では須恵器・埴輪を焼き、後には灰釉陶器や焼き締め陶器などを焼成した。飛鳥時代には瓦や塼を焼く有段式窯が百済から伝来し、奈良時代には中国起源の瓦塼専用ロストル式平窯が出現した。大量生産技術の導入で寺院や宮殿の大規模な需要に応じたのである。室町時代末には、瀬戸・美濃で燃焼効率のよい大型化した大窯が使われる。安土・桃山時代には、北部九州の唐津などに技術者とともに連房式登窯が朝鮮半島から導入され、初めて磁器を製作し始める。江戸時代には、北部九州の有田焼や柿右衛門窯などが海外に輸出されるまでに発展した。

（岡内三眞）

以上、転載

 

＊辞典解説文より漢字ピックアップ

窖
コウ、あなぐら、ふか（い）