枢府手白磁碗 すうふではくじわん

枢府手白磁碗
すうふではくじわん

中国・元代の景徳鎮窯で焼かれた。釉は不透明な乳白色あるいは淡青味を帯びたもので、ガチョウの卵の色に似ているために古来「卵白釉」と称される。高台は厚く元代白磁の力強さを感じさせ、元代青花の作りに通じる。元王朝の枢密院かそれに類する言葉である枢府の文字が、鉢や皿の内面に型押しされた種類の白磁を典型として指し、さらに同型の無文・有文の白磁も総称する。精粗がある。日本・東南アジアで出土するが、まとまって出土することは少ない。韓国・新安沖で1323年ごろに沈没した交易船にも一定量が積載されている。

(山本信夫)

以上、転載