アンドロノヴォ文化 あんどろのぶぉぶんか

アンドロノヴォ文化
あんどろのぶぉぶんか
Andronovo culture

北アジア西部から中央アジアに広がる広大な地域に分布する、BC2000年紀中葉から後半にかけての青銅器時代の文化。東はエニセイ中流域から西はウラル、北は西シベリア南部からカザフスタンを分布の中心とするが、アフガニスタン、新疆にまで影響が及んでいる。西方のスルーブナヤ文化とほぼ同時期の文化で、牧畜を主体に原始的な農耕を生業とした。墳墓群、半地下式竪穴住居からなる集落跡、灌漑水路・鉱山跡などの遺跡が知られている。また馬車の普及も特徴として挙げられる。多種の青銅製品も本格的に製作されるようになり、剣・斧・鎌・鑿・ナイフなどの実用利器のほか、各種の装身具、護符などが発見されている。この時期の特徴を示す土器の形態は単純・直線的な深鉢と頸部のくびれた深鉢の2種があり、ヘラや櫛歯状施文具による多様な幾何学文が施されている。通常4〜5型式に分類されるが、起源・分布域・系統・年代観に関して多くの議論がある。

(藤川繁彦)

以上、転載