恵山文化 えざんぶんか

恵山文化
えざんぶんか

北海道南部から道央部を中心とした続縄文時代前半期の文化。紀元前後より後3世紀に当たる。土器の土から東北地方北部の弥生土器との強い関係が認められる。また本州を経由して鉄器が流入し、鉄製刀子を使用して多種多様な骨角製品を作っている。縄文時代以来の狩猟・採集を生業としているが、特に漁業・海獣狩猟における活発な活動が、遺跡立地・自然遺物・そして多様な回転式銛頭やヤス、さらに結合式釣針の軸部と考えられる魚形石器などの存在から推測される。またクマ・クジラ類の造形品には優れたものが多く、そうした動物類に関し特別な宗教儀礼の存在が指摘されている。出入口用の通路つきの竪穴住居が認められ、豊富な副葬品を有する墓も知られている。有珠市有珠10遺跡の墓からはイモガイ製腕輪などが発見され、日本海側を通しての山陰・北九州地方との交流が指摘されている。

(山浦清)

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