二里頭文化 にりとうぶんか

二里頭文化
にりとうぶんか
Erlitou wenhua

中国・黄河中流域に成立した最初の青銅器文化。河南省偃師県二里頭を標準遺跡とする。中国では、夏王朝の文化とする見方が一般的である。

二里頭文化は、河南省西部の黄河南岸・洛陽平原から嵩山一帯にかけての地域を中心として、河南龍山文化王湾類型の第3期から直接発展する形で成立した。合計4期に区分されるが、第2期から第3期にかけて急速に変貌する。第1期においては、土器は灰陶を最多としつつも黒色・褐色系のものも多く、籃文と深腹罐・鼎に代表される王湾類型以来の伝統上にある。分布域にも目立った拡大は見られない。第2期以降、土器は灰陶の比率が圧倒的になり、文様も縄蓆文主体へと激変する。器種も増加し、日用土器のほかに盉・簋・觚・爵といったいわゆる礼器が登場する。また、青銅器の生産が本格化し、戈・鉞などの武器類とともに、盉・觚・爵などの青銅製礼器が誕生する。さらに、従来この地域には見られなかった玉器が、山東その他で発展した新石器時代の玉器文化を継承する形で登場して、儀礼用の器物が急速に整い始める。二里頭遺跡にはいわゆる「宮殿」が建設され、ほぼ均質・均等であった集落分布は、二里頭遺跡を頂点として拠点的集落と従属的集落が連なるピラミッド構造へと再編される。二里頭文化の分布域も四方へ向けて大幅に拡大し、伝統的に文化的差異が大きかった黄河北岸の山西省南部地域へも達して在地文化と融合し、東家馮類型を成立させた。これらの変化は、二里頭文化がその支配地域を拡大させる一方、近接・遠隔さまざまな地域の文化要素を取り込んで、自らも変容を遂げつつ発展していったことを物語っている。

(鈴木敦)

以上、転載

 

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ


カン、かま
意味:おけ。水を汲み上げる器


カ意味:足のついた青銅製の酒器



意味:穀物を盛る円形の祭器


コ、かど、さかずき


シャク、さかづき


エツ、まさかり


ヒョウ、フウ、いか(る)、かちわた(る)、たの(む)、つ(く)、よ(る)