北辛文化 ほくしんぶんか
北辛文化
ほくしんぶんか
Beixin wenhua
中国・山東省滕州市官橋鎮北辛村に所在する。北辛遺跡を標準とする*大汶口文化に先行する新石器時代の文化。絶対年代はBC5300〜4100年に当たる。その他の北辛文化の主要な遺跡としては、山東省兗県王因遺跡・西桑園遺跡、汶上県東賈柏遺跡、泰安市大汶口遺跡、江蘇省邳県大墩子遺跡などが知られ、山東省中南部と江蘇省淮北部を中心に分布している。また膠東半島に分布するものを白石村類型と呼ぶ研究者もいる。北辛文化の土器は主に泥条盤築法で作られ、鼎・釜・支脚・罐・鉢・埦・盆・壺などの器種があり、石器には鏟・石刀(石包丁)・鎌・磨臼・磨棒・斧・鑿など、骨角器には銛・鏃・錐・針などが見られ、ほかにも蚌鎌・蚌鏃・蚌鏟などがある。北辛文化は耕起具・収穫具・製粉具など多種類の農耕具、炭化アワや土器底部のアワ圧痕、ブタの遺存体などの出土から、発達した農耕社会の段階にあったと捉えられている。近年、北辛文化に先行する後李文化の存在が明らかになっている。
(今村佳子)
以上、転載
*辞典解説文より漢字ピックアップ
邳
ヒ
罐
カン、かま
意味:おけ。水を汲み上げる器
鏟
サン
意味:木や石を平に削る道具、土を削り取る道具。かんな。シャベル。
鑿
サク、うが(つ)、のみ
蚌
ホウ、ボウ、からすがい、どぶがい、はまぐり
*大汶口文化は こちら
