良渚文化 りょうしょぶんか

良渚文化
りょうしょぶんか
Lingzhu wenhua

中国・江南地区に分布圏がある新石器時代後期文化の名称。良渚文化の影響は、南は広東省、西は陝西省と四川省、北は山東省まで及んでいることが確認されている。良渚文化の研究の発端は、1936年浙江省杭州市余杭県良渚鎮で行った調査で発見され、59年に良渚文化と名付けられたことにより本格化した。72年の草鞋山遺跡では琮・璧などの玉製品が出土し、また86年の福泉山遺跡の調査で良渚文化の墓は盛土で作った墳丘を有することがわかった。さらに86年の反山遺跡、87年の瑶山遺跡の調査で良渚文化の様相がしだいに明らかになってきた。検出された遺構には高床式建物・貯蔵穴・木組井戸・祭壇などがある。墓は儀礼系玉器の有無で、大墓と小墓に分けられる。大墓は2列埋葬を行い、祭祀施設も付属する。

出土品には玉器・土器・石器・竹製品・木製品・絹・漆器・象牙製品などがある。玉器は儀礼系と装身具系がある。儀礼系玉器には琮・璧・櫛背飾・三叉形器・鉞・半円形器・冒と鐓などがあり、そして装身具系玉器には錐・管玉・丸玉などがある。また多くの儀礼系玉器と象牙製品には、煩雑な獣面・人面と鳥および、それらを組み合わせた文様があり、わずかではあるが土器にも複雑な鳥文などの文様を施すものがある。また、記号(文字)が玉器や土器に記されているものもある。土器には鼎・豆・注口坏・注口壺・盤・尊・鬵・簋・豆・埦・盉・甕などがある。石器では石斧・片刃石斧・破土器(一種の石器)・石鍬・石刀などがある。墓の規模・副葬品・祭祀遺構などから、良渚社会はすでに階層分化が進んでいたと考えられる。

(黄建秋)

以上、転載

 

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ


ソウ
意味:古代中国の玉器。八角形の中央に穴が通る


ヨウ、たま


エツ、まさかり


タイ、いしづき、つち
意味:矛や槍などの絵の下端につける金具。かなづち。


ソン
意味:酒だる


シン、セン
意味:おおがま。かなえ。こしき。



意味:穀物を盛る円形の祭器


ズ、トウ、まめ、たかつき
意味:供物をのせる器、春秋時代の量の単位



意味:足のついた青銅製の酒器