白水城跡 はくすいじょうあと

白水城跡
はくすいじょうあと
Baishuicheng-zhi

中国・新疆維吾爾自治区、烏爾木斉(ウルムチ)から吐魯番(トゥルファン)へ通じる烏吐公路の傍ら、天山山脈の余脈の切れ目から、吐魯番盆地へ抜ける隘口部である達板城に占地している。白水城の呼称は、かつて白水澗と称されていた河流沿いに位置すること、また莫高窟365号窟前に残される「李懐譲武周聖暦元年修莫高窟仏龕碑」や「西州図経」にその名が記されていることによる。その存在は早くから知られ、新疆維吾爾自治区文物考古研究所王炳華らにより調査報告が行われたほか、近年では、新疆師範大学と九州大学文学部から組織された草原文化研究班によっても踏査記録が公にされている。城跡は、その内城壁が南北50m、東西30mを測り、城門跡と推定される城壁の切れ目が西に開いている。内城壁の東・北面には内城を全体の西南部に偏在させ、外をめぐって土をつき固めた城壁が東西70m、南北80mにわたり延伸し、外城を構成している。城内では手づくねの紅陶・褐陶、また突帯や刺突文を持った灰陶の土器片が採集されている。築造の時期は、南北朝時代以降、唐あるいは唐成立直前と理解されている。

(高橋学而)

以上、転載