田弘墓 でんこうぼ

田弘墓
でんこうぼ
Tianhong-mu

中国・寧夏回族自治区固原県西郊郷大堡村に所在する、北周建徳4年(575)葬の柱国大将軍田弘(同年没)とその妻の合葬墓。1996年、日中聯合原州考古隊が発掘した。墓の構造は、5天井を過道上に有する全長56mの地下式洞室墓である。地上の墳丘は現高3m、直径30mを測る。過道下端、第4天井の奥に封門、第5天井下の甬道の奥に方形の墓室、最奥中央に後室、入口右側に東耳室がある。墓室壁面には、赤・白・黒の彩色人物壁画が描かれており、発掘時に一部は残存していたため、取り外して保存処理した。出土遺物は、墓誌、鎮墓獣・人物俑・騎馬俑・馬俑、陶器・漆器痕、東ローマ帝国レオⅠ世(在位457〜474年、2孔)、ユスティヌスⅠ世(518〜527年、3孔)、ユスティニアヌスⅠ世摂政期(527年、3孔と4孔の2点)、同大王期(527〜565年、無孔)の金貨計5点、玉環・玉佩・玉釵などの玉器、紺色・黄色ガラス玉、金彩雲母板などである。東ローマ金貨のうち有孔の4点は、出土位置からおそらく被葬者田弘の衣服に縫いつけられ、無孔1点は頭骨内から出土したことから、口に含ませていたものと考えられ、外来金貨の埋葬形態をよく示す事例といえる。

(谷一尚)

以上、転載

 

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ


ハイ、おびだま、お(びる)、は(く)


サ、サイ、かんざし

 

*mapのピンは固原市の大堡村