鶏林路14号墳 けいりんろ14ごうふん

鶏林路14号墳
けいりんろ14ごうふん
Gyerimno-14(sipsa)hobun

韓国・慶尚北道慶州市皇南洞に所在する、6世紀後半の三国時代新羅の古墳。味鄒王陵地区古墳群の東部に位置し、古墳公園整備に伴い、1973年に国立慶州博物館によって発掘調査された。長さ3.5m、幅1.2mと小規模な積石塚であったが、金製耳飾・硬玉勾玉・装飾宝剣・環頭大刀、鞍橋・杏葉・鎧子・雲珠などの馬具類のほか、新羅土器長頸壺、「吊」字銘青銅盒など合わせて200点余の遺物が出土している。その中でも特に注目されるのは、装飾宝剣および鞍橋についていた金装鬼面装飾鉸具である。装飾宝剣は柄と鞘の金製嵌玉装飾のみ遺存し、長さ36㎝、最大幅9.3㎝。鍔の部分のみ透彫および細線細工でケルト巴文様をつくり、ほかは細線細工でギリシャ渦文、ローマ式ローレル文などの透文様を作り、粒金細工を施し、文様の中には柘榴石などを象嵌している。金装鬼面装飾鉸具は少なくとも大小各2点が出土している。「鬼面」とはいうものの実際は獅子面で、周囲の突起状装飾はギリシャ・ローマ獅子面装飾に通有のものである。この2件の遺物は皇南大塚・金冠塚・天馬塚・瑞鳳塚などで出土したローマン・グラス、味鄒王陵地区C地区4号墳で出土した象嵌瑠璃玉装飾などとともに、新羅とローマ文化圏地域との交渉を物語る資料として重要である。

(藤井和夫)

以上、転載

 

 

*辞典解説文より漢字ピックアップ


ゴウ、さら、ふた、ふたもの


コウ
意味:はさみ、ものを挟んで切断する道具