四天王寺跡 してんのうじあと
四天王寺跡
してんのうじあと
Sacheonwangsa-ji
韓国・慶尚北道慶州市排盤洞に所在する、統一新羅時代の寺院跡。慶州(月城)から蔚山(南東)方向に約2㎞進んだ狼山(標高100.6m)の南に造営されている。1922年(大正11)小泉顕夫らが調査している。蔚山街道をはさんで南約150mに望徳寺跡がある。『三国遺事』巻2、文虎王法敏条に、文武王10年(670)唐から帰国した義湘の発議によって、唐の攻撃から新羅を守るために創建したとある。『三国史記』文武王19年(679)8月条に、「四天王寺成る」とある。現地には南から中門と想定される土壇、東西2基の木塔の基壇、その中央北側に5間×3間の金堂基壇、その北東・北西に経楼と推定される2基の基壇、その周囲を囲む回廊基壇が残っている。双塔式伽藍配置である。それらの南側には幢竿支柱と亀趺が残っている。遺物は統一新羅時代初期からの瓦類のほか、有名な緑釉四天王浮彫像・緑釉千鳥形塼などが出土している。
(亀田修一)
以上、転載
