佛国寺 ぶっこくじ

佛国寺
ぶっこくじ
Bulguksa

韓国・慶尚北道慶州市進峴洞の吐含山中にある寺院。三国時代新羅の法興王22年(535)に創建されたと伝えるが、創建時の状況はよくわからない。その後、統一新羅時代に入って、景徳王の時期(742〜764)に再建された。文禄の役(壬辰倭乱・1592)で兵火にかかり、石塔・石橋などのほかは灰燼に帰した。その後、李朝(朝鮮)時代に10数回にわたって、しだいに堂宇・門郎・僧房などが再興された。さらに1969年には国立文化財研究所が無説殿(講堂)・回廊を発掘調査した後、70〜73年にかけて復元工事が行われた。堂宇の配置は、大雄殿(金堂)が中央にあって南面し、その前面には石燈籠がある。大雄殿の前方東西には、多宝塔と釈迦塔の石塔が立つ。そして、南の正面に中門に当たる紫霞門がある。紫霞門の外側には石の階段が2ヵ所あり、青雲橋・白雲橋と呼ばれる。一方、大雄殿の後方には無説殿があって、統一新羅時代の典型的な双塔式伽藍配置である。そのほか、主要伽藍の周囲に多数の付属建物がある。また、主要伽藍といくつかの建物の内部には、各種の仏像が安置されている。なお、1966年に釈迦塔が解体修理された際、舎利具が発見されたが、その中に無垢浄光大陀羅尼経巻が含まれていた。

(西谷正)

以上、転載