元謀人 げんぼうじん
元謀人
げんぼうじん
Yuanmouren
中国・雲南省元謀市の南東約5㎞に位置する丘陵で、1965年、鉄道工事に際して発見されたヒトの上顎左右中切歯。当初は古地磁気法によって170万年前にさかのぼる年代が発表され、中国で最古の原人化石とされた。しかし、その後の検証によって140万年、あるいは60〜50万年前という意見も出され、100万年を越える年代については否定的意見が強まっている。北京原人の男性歯と同程度のサイズを持つことから、性別は男性と見なされている。形態的な特徴に関し、辺縁隆線がよく発達したシャベル状切歯であること、歯冠基部が膨隆し、特に基底結節の発達が良く、また歯冠舌側面に指状の隆線がが走っている点などにおいて、北京原人との強い類似性が指摘されている。
(中橋孝博)
以上、転載
