左鎮人 さちんじん
左鎮人
さちんじん
Zuozhenren
台湾・台南県左鎮郷の菜寮渓から発掘された更新世後期の化石人類。従来、菜寮渓は第四紀の哺乳類化石を出土する地点として知られていたが、1970年代になって人類の頭骨破片と歯が検出され、台湾における更新世の人類化石がはじめて確認された。出土した地層は不明であるが、弗素含量分析法の年代測定結果によると、およそ2〜3万年前という。採集された人類化石は、形態的にホモ・サピエンス・サピエンスであると同定されている。しかし、伴出する遺物がないため、当時の人工道具はまったく不明瞭である。鹿間時夫は、頭骨の内外の表面にある文様が人工によるものだと考えているが、これに反対する意見もある。左鎮人は確認された台湾最古の人類でもあるが、最近では高雄県大崗山においても4〜5万年前の化石人類が発見されたといわれている。これらはともに台湾更新世の人類史にとって貴重な資料である。
(陳有貝)
以上、転載
