丁村人 ていそんじん
丁村人
ていそんじん
Dingcunren
中国・山西省襄汾県丁村の近くから1954年に発見された12〜13歳の子供の歯3本、および76年に追加発見された2歳位の幼児の右頭頂骨片からなる。所属年代はメルク犀やハイエナなどの伴出動物相から後期更新世の初め、またウラン系列法から16〜21万年前とする結果が出されている。角頁岩を材料とする171個の尖頭器や削器など剝片石器を主とする石器を伴い、一部に北京周口店や藍田との類似性も指摘されている。歯は同一個体のものと思われる上顎右の中切歯と側切歯、および下顎右の第2大臼歯からなる。切歯はシャベル型で、一応北京原人とも共通するが、基底結節の発達度、指状の隆線の発達などは北京原人や元謀原人ほど強くはない。全体的に原人と新人の中間的特徴を持つ。また、頭頂骨の後正中部の形状から、インカ骨の存在が指摘されている。
(中橋孝博)
以上、転載
