豊谷人 ほうこくじん
豊谷人
ほうこくじん
Phunggok-in
北朝鮮・平安南道北倉郡豊谷労働者区のオッコル村にある、コムンノン洞窟遺跡で発掘された新人段階の化石人骨。遺跡は大同江河岸に位置する。調査は朝鮮社会科学院考古学研究所のチームによって、1990年から3年にわたり発掘が行われた。化石が発掘された洞窟の大きさは長さ75m、幅25mで、堆積層の1.8m下から発見された。発見されたのは頭骨の前頭部分で、額から眼窩と鼻骨部分にかけて残存している。眼窩の突出やくぼみなどから新人の新しい段階のもので、4万〜2万年前のものという。鼻骨はやや狭く、鼻根・鼻梁が高いなどの特徴が指摘されている。アジア周辺地域の同時期の化石人類とは区別され、大同江流域には豊谷人のほか晩達人・スンリ山人・金泉人・冷井人・大興人・錦坪人など、新人段階の人類化石が多数発見されている。
(中山清隆)
以上、転載
