万家村古墳群 まんかそんこふんぐん
万家村古墳群
まんかそんこふんぐん
Mangachon-gobungun
韓国・全羅南道咸平郡月也面礼徳里所在の原三国(馬韓)時代の古墳群。南北方向の低丘陵上に位置する。1995年と2000年の2次にわたって調査された。外形から観察される9基は、墳丘の形態は大部分細長い梯形で、墳丘主軸線に一致させて数基の埋葬施設が設けられた多葬墓である。周溝はすべての古墳で確認されたが、墳形が整然としないことから、追葬ごとになされた墳丘封土の平面拡張の結果、梯形墳として完成されたものと考えられる。8号墳は長さ49mで、全羅南道地域における出現期の大型古墳である。埋葬施設は木棺と大型甕棺であるが、木棺の中心年代は2世紀代で、この地域で盛行した大型甕棺墓に先行する。大型甕棺は専用甕棺に先行するもっとも早い類型で2〜3世紀代と推定される。古墳と古墳の間からも土壙墓9基と、甕棺墓4基が調査されたほか、原三国時代の竪穴住居跡1軒と、三国時代の土器窯1基が確認された。このうち2基の甕棺墓は3号墳の埋葬施設で、2基の土壙墓は4号墳の埋葬施設である。遺物は各種の土器のほかに玉類・鉄鋌・環頭刀が出土した。7号墳の溝の堆積土層内で調査された大型合口式甕棺は、広口の頸の長い甕を利用したもので、栄山江流域の甕棺墓のなかで比較的早い類型である。
(大竹弘之)
以上、転載
*mapは咸平郡月也面礼徳里のエリア
