扶蘇山城 ふそさんじょう

扶蘇山城
ふそさんじょう
Busosanseong

韓国・忠清南道扶余郡扶余邑の街並みの北側に位置する、標高105mの扶蘇山に築かれた三国時代百済泗沘期(538〜660年)の王城。北側は錦江が流れ、自然の濠の役割をしている。公州大通寺(527年創建)跡出土の「大通」銘瓦と同文の瓦が出土したことから538年(聖王16)の泗沘遷都以前に築き始められたのではないかと考えられるようになっている。初築時の城壁は、外面基礎部に石を積んだ版築土塁であったようで、城周は約2.2㎞である。この城壁の西と東から泗沘の王都を囲む羅城が伸びている。現在城内に築かれている区画の城壁は、基本的に百済滅亡後に新羅によって築かれたものである。王宮は城内ではなく、扶蘇山城の城外南側に築かれていたと考えられている。城内の百済時代の施設としては、瓦積基壇建物・オンドル住居・貯蔵穴などがある。遺物は瓦・土器などのほか、仏像・金銅製飾金具・鉄製武器類・中国製陶磁器なども出土している。西城外には百済時代の扶蘇山廃寺跡がある。

(亀田修一)

以上、転載