扶余東・西羅城 ふよひがし・にしらじょう

扶余東・西羅城
ふよひがし・にしらじょう
Buyeo dong-seo-naseong

韓国・忠清南道扶余郡扶余邑の中心部を取り囲むように扶蘇山城から東西に築かれた羅城。以前は南側は不確実ながら、基本的に扶余邑の中心部をぐるりと取り囲むように築かれたと考えられていたが、忠南大学校百済研究所が2000年に行った発掘調査などにより、確実なものは扶蘇山城から東に延び、そして南下する東羅城(北羅城を含む)しかないと考えられるようになった。これにしたがえば、その全長は約6.3㎞となる。しかし、西羅城の北部の扶蘇山城側が全く存在しないかはさらなる検討の余地がある。東羅城は基本的に版築土塁であるが、東門付近では裏込め石を持つ石垣がある。またこの付近の土塁構築には木の枝や草類を挟み込んだいわゆる敷葉工法が使用されている。門跡は東羅城において5ヵ所確認されている。羅城の築城時期に関しては、いまだ不確実ながら、泗沘遷都の538年ごろと考えられている。

(亀田修一)

以上、転載