牟頭婁塚 むとうろづか

牟頭婁塚
むとうろづか
Modur-chung
Mutoulou-zhong

中国・吉林省集安市に所在する三国時代高句麗の複室墳。後室天井は三角・平行持送り式である。中国では「冉牟塚」と呼んでいる。全長4.2m、後室長3.0m、幅3.0m、高さ3.1m、前室長2.3m、幅3.0m、高さ3.0mで、前・後室の高さが同じで、前室が発達した段階のものである。前室後壁に壁面漆喰を塗り、77行・10字以上文字が墨書されている。墨書銘から墓主は牟頭婁で、その一族の祖の冉牟が故国原王(331〜371)代に存在したこと、牟頭婁一族は高句麗官位の第7位(大兄)、第6位(大使者)の身分で、広開土王代に北扶余の支配と関係した有力氏族であることなどが記されている。史料から長寿王(413〜491)代の前半期ごろ埋葬されたという。徳興里古墳(408年)と墓室構造が類似する。427年の平壌城遷都以前の可能性はあろう。

(東潮)

以上、転載

 

 

*mapは吉林省集安市